【産後ママの「これって普通?」相談室 】~梅雨・夏の赤ちゃん編 No4~

第4回 夕方になると動けない…私だけ?
朝から洗濯をして、授乳をして、抱っこをして、家事をして。
気が付けばもう夕方。
「晩ご飯を作らないといけないのに動けない」
「子どもに話しかけられても余裕がない」
「ソファに座ったら立ち上がれない」
そんな経験はありませんか?
神戸市北区や三田市でも、産後ママからよく聞くお悩みのひとつです。
赤ちゃんのお世話は何とかできる。でも、自分のことになると何もする気が起きない。
すると、
「みんな頑張っているのに私だけダメなのかな」
と自分を責めてしまう方も少なくありません。
でも、その疲労感は気持ちの問題ではなく、体からのサインかもしれません。
産後の疲労は「寝不足だけ」では説明できません
産後ママの疲労というと、多くの方が「寝不足だから仕方ない」と考えます。
もちろん睡眠不足は大きな原因です。
しかし実際の臨床では、睡眠時間だけでは説明できない疲労を抱えている方が少なくありません。
例えば、
・十分寝たはずなのに疲れている
・朝からだるい
・夕方になると動けなくなる
・気力が出ない
といった状態です。
こうした場合、睡眠以外の要素が関係していることがあります。
血糖値の乱高下が疲労感を強くすることも
育児中は自分の食事が後回しになりやすいものです。
朝はコーヒーだけ。
昼は子どもの残り物。
気づけば夕方までまともに食べていない。
そんな生活になっていませんか?
すると血糖値が大きく上下しやすくなります。
血糖値が急上昇すると一時的に元気になりますが、その後急激に下がることで、
・眠気
・だるさ
・集中力低下
・イライラ
が起こることがあります。
「夕方になると動けない」
という方の中には、この影響を受けているケースも少なくありません。
産後ママに多い「隠れ鉄不足」
もう一つ見逃せないのが鉄不足です。
出産では多くの血液を失います。
さらに授乳中は赤ちゃんの成長のために栄養が優先的に使われます。
健康診断で貧血と言われていなくても、
・疲れやすい
・頭痛が多い
・立ちくらみがある
・動悸がする
・集中力が続かない
といった症状が出ることがあります。
これは「隠れ鉄不足」が関係している可能性もあります。
頑張り屋さんほどエネルギー不足になりやすい
産後ママは本当に頑張っています。
赤ちゃんを優先し、
家族を優先し、
自分のことは最後。
でも体は、
・睡眠
・栄養
・休息
がなければ回復できません。
特に30代後半から40代になると、20代の頃と同じようには回復できなくなります。
「昔はもっと頑張れたのに」
と感じるのは、気合いが足りないからではありません。
体の仕組みが変化しているからです。
機能性医学では背景を探していきます
機能性医学では、
「疲れているから休みましょう」
だけでは終わりません。
なぜ疲れているのか。
その背景に、
・栄養不足
・鉄不足
・血糖値の乱れ
・睡眠の質の低下
・慢性的な炎症
などが隠れていないかを考えます。
同じ「疲れ」でも原因は人によって異なるためです。
当院で大切にしていること
当院では、肩こりや腰痛だけではなく、産後ママの体全体をみることを大切にしています。
女性施術者として出産や育児を経験しているからこそ、
「疲れているのに休めない」
というママの現実もよく理解しています。
また、知識を常にアップデートしながら機能性医学的な視点も取り入れ、不調の背景に目を向けることを大切にしています。
最後に
夕方になると動けない。
それは決して怠けているわけでも、気合いが足りないわけでもありません。
産後の体は想像以上に多くのエネルギーを使っています。
もし最近、
「疲れが取れない」
「毎日しんどい」
と感じているなら、一度ご自身の体にも目を向けてみてください。
赤ちゃんを大切にするように、ママ自身の体も大切にしてほしいと思います。
次回は、「甘い物がやめられない…意思が弱いの?」についてお話しします。
参考文献**
・Postpartum fatigue and evidence-based interventions
・Iron deficiency and fatigue in women of childbearing age
・Dietary carbohydrate restriction as the first approach in diabetes management: Critical review and evidence base