【産後ママの「これって普通?」相談室 】~梅雨・夏の赤ちゃん編 No5~

05 甘い物がやめられない…意思が弱いの?

第5回 甘い物がやめられない…意思が弱いの?

夕方になるとチョコレートを食べたくなる。

子どもが寝たあとに甘い物を探してしまう。

疲れた日はカフェラテやお菓子がないと頑張れない。

そんな経験はありませんか?

産後ママからよく聞くお悩みのひとつです。

そして多くの方が、

「私の意思が弱いからかな」

「もっと我慢しないとダメですよね」

と話されます。

でも実際には、単純に気持ちの問題ではないことも少なくありません。


体はエネルギー不足を嫌います

私たちの脳は多くのエネルギーを必要としています。

特に育児中は、

・睡眠不足
・授乳
・抱っこ
・家事
・精神的な緊張

などによって普段以上にエネルギーを消費しています。

すると体は、

「早くエネルギーを補給したい」

という状態になります。

そんな時に手っ取り早くエネルギーになるのが糖質です。

チョコレートやお菓子が欲しくなるのは、ある意味では自然な反応とも言えます。


朝ごはんを抜いていませんか?

産後ママのお話を聞いていると、

・朝はコーヒーだけ
・朝食を食べない
・昼食が適当になる

という方が少なくありません。

自分のことより赤ちゃん優先。

これはとてもよく分かります。

しかし食事を抜く時間が長くなると、血糖値が大きく変動しやすくなります。

すると、

・集中力が続かない
・イライラする
・眠くなる
・甘い物が欲しくなる

という流れが起こりやすくなります。


実はタンパク質不足も関係しています

甘い物への欲求を考える時、糖質だけではなくタンパク質も重要です。

タンパク質は、

・筋肉
・ホルモン
・酵素
・神経伝達物質

などの材料になります。

育児中のママは、

パンだけ

おにぎりだけ

麺類だけ

で食事を済ませてしまうこともあります。

すると体は必要な材料が不足しやすくなります。

機能性医学では、こうした栄養の偏りにも注目します。


鉄不足が隠れていることも

前回お話ししたように、産後の女性は鉄不足になりやすい時期です。

鉄は酸素を運ぶだけではなく、

・エネルギー産生
・神経伝達物質の働き

にも関わっています。

そのため鉄不足があると、

・疲れやすい
・集中できない
・甘い物が欲しくなる

といった状態につながることがあります。

もちろん全てが鉄不足で説明できるわけではありません。

しかし見逃されやすい要因のひとつです。


自分を責める必要はありません

当院へ来られるママさんの中にも、

「またチョコを食べてしまいました」

と申し訳なさそうに話される方がおられます。

でも私は、

まず自分を責めないでほしいと思っています。

なぜなら、

その背景には

・睡眠不足
・疲労
・栄養不足
・血糖値の乱れ

などが隠れていることがあるからです。

根性論だけでは解決しない問題もあります。


機能性医学では背景を考えます

機能性医学では、

「甘い物をやめましょう」

だけでは終わりません。

なぜ甘い物が欲しくなるのか。

・食事内容
・睡眠
・ストレス
・栄養状態

などを含めて考えます。

同じ症状でも背景は人によって違うからです。


当院で大切にしていること

当院では肩こりや腰痛だけでなく、産後ママの体全体をみることを大切にしています。

女性施術者として出産や育児を経験しているからこそ、

「自分のことは後回しになる」

というママの現実もよく理解しています。

また、知識を常にアップデートしながら、機能性医学的な視点も取り入れ、不調の背景に目を向けることを大切にしています。


最後に

甘い物がやめられない。

それは意思が弱いからではなく、体からのサインかもしれません。

もし最近、

「チョコレートがないと頑張れない」

「甘い物ばかり食べてしまう」

と感じているなら、自分を責める前に体の状態にも目を向けてみてください。

産後の体は、想像以上にたくさんのエネルギーを必要としています。

次回は、「寝ているのに疲れが取れない…なぜ?」についてお話しします。


参考文献**

Dietary protein and energy balance in humans
Iron deficiency and fatigue in women of childbearing age
Glycemic Index, Glycemic Load, and Blood Glucose Response