【産後ママの「これって普通?」相談室 】~梅雨・夏の赤ちゃん編 No7~

第7回 その夏バテ、鉄不足かもしれません
「暑いからしんどいのは当たり前」
「育児中だから疲れていて当然」
そう思いながら毎日を過ごしていませんか?
神戸市北区や三田市でも、夏になると
「なんだかずっと疲れている」
「朝から体が重い」
「やる気が出ない」
というご相談が増えてきます。
もちろん暑さや睡眠不足の影響はあります。
しかし産後ママの場合、それだけでは説明できないことも少なくありません。
その一つが『鉄不足』です。
産後は鉄不足になりやすい時期です
妊娠中、赤ちゃんはお母さんからたくさんの鉄を受け取って成長します。
さらに出産時には出血があります。
そして産後は授乳や体の回復のために多くの栄養が必要になります。
つまり女性の体は、
妊娠
↓
出産
↓
授乳
という流れの中で、長期間にわたり鉄を消費し続けているのです。
そのため産後は鉄不足になりやすい時期だと考えられています。
貧血ではなくても鉄不足のことがあります
「健康診断で貧血とは言われませんでした」
という方もおられます。
実は鉄不足と貧血は同じではありません。
体内には貯蔵鉄と呼ばれる鉄の蓄えがあります。
この貯蔵鉄が減っていても、一般的な血液検査では異常として見つからないことがあります。
機能性医学では、
『貧血ではないけれど鉄が不足している状態』
にも注目します。
こんな症状はありませんか?
鉄不足では、
・疲れやすい
・朝起きるのがつらい
・頭痛が多い
・立ちくらみがある
・動悸がする
・集中力が続かない
・イライラしやすい
・髪が抜けやすい
といった症状が見られることがあります。
もちろんこれらの症状が全て鉄不足で説明できるわけではありません。
しかし実際には、
「育児疲れだと思っていたら鉄不足も関係していた」
というケースもあります。
鉄は酸素だけではなくエネルギーにも関わっています
鉄というと、
「血液の材料」
というイメージを持つ方が多いと思います。
もちろんそれも大切な役割です。
しかし鉄はそれだけではありません。
細胞の中でエネルギーを作る働きにも関わっています。
そのため鉄が不足すると、
十分寝ても疲れが取れない
体が重い
やる気が出ない
という状態につながることがあります。
前回お話しした
「寝ているのに疲れが取れない」
という症状とも関係する可能性があります。
頑張るママほど見逃しやすい
産後ママは本当によく頑張っています。
赤ちゃんのお世話。
家事。
家族のこと。
自分のことは最後です。
だからこそ、
「疲れているのは当たり前」
と思い込みやすくなります。
しかし体が出しているサインを見逃してしまうこともあります。
機能性医学では背景を考えます
機能性医学では、
「疲れていますね」
で終わりません。
なぜ疲れているのか。
その背景に、
・鉄不足
・タンパク質不足
・血糖値の乱れ
・睡眠の質の低下
・慢性的な炎症
などが隠れていないかを考えます。
同じ疲労感でも原因は人それぞれだからです。
当院で大切にしていること
当院では肩こりや腰痛だけではなく、産後ママの体全体をみることを大切にしています。
女性施術者として出産や育児を経験しているからこそ、
「自分のことは後回しになる」
というママの気持ちもよく理解しています。
また、知識を常にアップデートしながら機能性医学的な視点も取り入れ、不調の背景に目を向けることを大切にしています。
最後に
全7回にわたり、
「産後ママの『これって普通?』相談室 ~梅雨・夏の赤ちゃん編~」
をお届けしてきました。
赤ちゃんのお悩みから始まったこのシリーズですが、最後はママ自身の体についてお話ししました。
赤ちゃんを大切にするように、ママ自身の体も大切にしてほしい。
それが私たちの願いです。
もし今、
「ずっと疲れている」
「育児がつらい」
「何となく不調が続いている」
と感じているなら、一人で抱え込まずにご相談ください。
参考文献**
・Iron deficiency and fatigue in women of childbearing age
・Iron deficiency without anaemia: a diagnosis that matters
・Nutritional iron deficiency as a cause of impaired cognitive function in women of reproductive age